妻が妊娠してから、一緒に出歩いて初対面の人に会ったときに、こういうのを、あちこちで挨拶がわりに言われる。
「奥さんが大変だから遊んでばかりいちゃだめよ」
「奥さんが家事できないときにありがたみがわかるよ」
「今までは奥さんが構ってくれたけど、これからは子供子供〜よ、大丈夫?」
「今のうちに沐浴とか必死に勉強しておかないと、愛想尽かされるよ」
などなど。
めっちゃ笑顔で言われる。私も「いやぁ本当ですね、あはは」と返す。
でも本当は真顔で言いたい。
お前ら、俺のなんやねん。
一体、わが家の、そして俺の何を知ってそのセリフを吐くのかと。
スポンサーリンクうちは、家事も仕事も、ほぼ50%|50%で配分している
私は妻とともに在宅ワーカーである。
お互いにウェブ屋で似たようなことをしている。仕事の内容も、今のところお陰様で、ふたりとも夜も眠れぬような状況ではない。
常に、妻と自宅にいる。
ほぼ24時間、一緒にいる。
家事はほとんど50%でお互いにやる。
掃除、洗濯、片付け、料理、買い出し、ゴミ出し、全部やる。家にいて、お互い同じように仕事をしているのだ。得手不得手で多少違いはあれど、家事も同じようにやるのがむしろ自然である。
妻が妊娠したので、辛いときは私がやる。
もちろん、私が風邪などで辛いときは妻がやる。相互に補助し合う。これも普通だろう。
多分、どちらも相手がいなくても家のことを回せる(し、多分、仕事も回せる)。
ある意味で、かなり等しく世帯のタスクを分配してやっている。
お互いに仕事もしているし、細かなことを言えば、きっと、あーしてほしいこうしてほしいはあるかもしれないが、家のこともベストを尽くしていると思う。
それで、子どもが10月に生まれる予定だが、そこで祝福され、心配される妻に対して、なんで私が急にバカにされなあかんねん。
待て待て待てってなるでしょう。
ベストを尽くす妻に、ベストを尽くす夫。
で、なんで、知らん奴に夫だけバカにされるんじゃい。
「しばらくは旦那さんも、家のことも手伝わなくちゃね」
→なぜ、私は家事をまったくやってない前提なのか。
「奥さんが大変だから遊んでばかりいちゃだめよ」
→私は世帯をかえりみぬ遊び人なのか。
「奥さんが家事できないときにありがたみがわかるよ」
→それ多分、あなたの話なんじゃないですか?
「今までは奥さんが構ってくれたけど、これからは子供子供〜よ、大丈夫?」
→わしゃ、子どもかペットかいな。
「今のうちに沐浴とか必死に勉強しておかないと、愛想尽かされるよ」
→なぜ勉強しない程なのか。(ちなみにこの時、沐浴やり方を勉強できる場所はないか聞いた)
そりゃ、私は完璧じゃないですよ。
たまに面倒臭くて、妻に家事を押し付けたり、Photoshopでの画像加工押し付けたりするさ。そういうのでつまらないケンカもしますよ。
でも、妻もそういうのやりますよ。人間だもの。あいだみつを良いこと言うなぁ。そう、人間だもの!だから、その辺は平等でしょう。
それなのに、これ。
だって、荒く意訳すると「お前は出産前後の妻の気持ちがわからないバカだ」って、私に言っている意味にもとれますよね。
言われれば、言われるほど、抽象度が増して「バカ」扱いに感じてくる。
よく知った間柄ならともかく、初対面でだ。
はっきり言ってかなり失礼だと思う。
出産前後の妻の気持ちがわからない旦那のステレオタイプはわかる、わかるよ
で、まぁ憤っている風に書いてはいるんですけど、もちろん理由はわかっていてですね。で、実際、あんまり憤ってもないんですよね。
出産前後の妻の気持ちや事情。
これがわからなくて、妻に苦労をかけたり、嫌な思いをさせる夫。
こういうのが、やっぱり世に一般的なんですね。
私も男性ですし、妻が期待しているより、声色や表情から思いを汲み取るのが下手だったり、女性の事情を知らないが故に、迷惑をかけたり。そういうのもあります。
そして、男性が仕事、女性が家のこと。
この価値観も、当然、まだまだ滅びてはいないんですね。
だからまぁ、こういった「バカ夫ステレオタイプ」なことを半分、冗談めかして共有してね。仲良くなろうとしてくださっているのも感じ取れますから。むしろ、ありがたいな、と思います。
だから、「しばらくは旦那さんも、家のことも手伝わなくちゃね」とニコッと言われても、冗談だとすぐわかります。「いやぁ本当ですね、あはは」と返せます。
世界は、今日も平和です。
良い時代に生まれてきたな、と思います。
でもね。
仲良くなるときに、「バカ」の主語に「お前」を使うのは、どう考えてもおかしいと思うんだ。
仲良くなろうとして、「お前バカだよな」っつってニコッとする人いないでしょう?
「俺らってバカだよな」とか、「〇〇ってバカだよな」とか言うでしょう?
「あらご懐妊おめでとうございます!
しばらくは旦那さんが家事で活躍することも増えますね(ニコ)」
なら爽やかで良いですよ。
「あらご懐妊おめでとうございます!
しばらくは旦那さんも、家のことも手伝わなくちゃね〜(ニコ)」
これ、完全に「お前、家事なんて考えたこともねぇだろう、このバカ」と、取れる言い方じゃないですか。
そしたらやっぱり、「いや、そもそもうちは家事、私もやるんですけど」って思うじゃないですか。
むしろ、「あなたの家は、旦那さんが大変だったんですか..ね..」とまで勘ぐって、心配してしまうじゃないですか。
なぜか、普通にまかり通っちゃうんですよね、「お前バカ」が。
このタイミングだけはまかり通るから不思議です。
子育てに力を入れる男性も当然いる時代
結論、「ただの主語の問題」なんですな。
実際、別に「失礼だな」なんて思いやしませんし、むしろ初対面。和んでありがたいです。
ただ、気がついて、関心もって聞いていると面白かったので、つい書いちゃいました。野暮なツッコミを入れてしまいすみませんでした。
さて、沖縄で暮らしていても、子育てに力を入れる男性が当然いる時代になってきた気がします。
在宅ワーカーで子育てに関してはかなりエネルギーを割いて、楽しんでいらっしゃるブロガー夫さんも見かけます。在宅じゃなくても育休とって、専念しようとする会社員男性も見かけます。
相変わらず、男女差もあるんですが、こういう風に状況が変わってきて、夫婦がお互いにより良い状況になって、新しい命を迎えられると良いなぁと思いますね。
なんか良い風にして、記事をしめたいと思います。
ドロン。